養育費と公正証書の関係について解説します。

養育費の文例

養育費の相談は行政書士にお任せ下さい

甲は乙に対し、
長女の養育費として
平成28年1月から平成○年○月まで、
金5万円を毎月15日限り、
長女の口座に振込み送金して支払う。

【1】養育費の終期(いつまで)について

養育費の終期(いつまで)は協議で自由に決定出来ますが、
学校表記ではなく年代や年齢表記を使用することが望ましいです。
(学校表記=高等学校卒業、年代・年齢表記=平成○年3月・20歳)

【2】養育費の相場について

養育費の金額は協議で自由に決定出来ますが、
養育費算定表を利用すれば、ある程度の相場が分かります。
(※ ネットで検索すれば、算定表のページが多数出てきます。)

無茶な支払額(給与が右から左)で合意すると、
支払者が開き直って、投げやりになることもあるのでご注意下さい。

逆に無理のない現実的な支払額で合意すると、
仕事へのモチベーションが保てる等、養育費の支払率向上に繋がります。

【3】養育費の支払日について

養育費の支払日は話し合いで自由に決定出来ますが、
給与日から5日以内に設定すると、余裕を持って払えるのではないでしょうか?

養育費の支払方法は手渡しではなく、振込を利用して下さい。
手渡しだと「払った・貰ってない」というトラブルに発展することもあります。

【4】養育費の振込先について

養育費の振込先は、親権者・お子様どちらでも構わないですが、
「子供名義の方が払いやすい」という父親の意見をよく伺うので、
お子様が1人の場合は子供名義、複数の場合は親権者名義をお勧めしています。

【5】養育費の合意について

話し合いの結果「養育費を払わない・貰わない」という結論が出ても、
お子様の成長に欠かせないお金なので無効となり、離婚後いつでも請求出来ます。
(注 相手が請求を受入れてくれるかは別問題となります。)

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養育費相場の計算式

養育費の相場は参考程度に利用して下さい

【目次】

● 養育費相場の計算式
● 養育費の支払率を上げる方法
● 離婚した後に養育費の再協議をする

協議離婚は夫婦間の話し合いで進める離婚なので、
養育費の相場(いくら)についても、協議で自由に決定出来ます。

ただ自由と言っても、支払額の妥当性に悩まれるご夫婦が多いので、
今回は養育費算定表を使った計算式を複数挙げて、お伝えさせて頂きます。

【養育費の相場例1】

◇ 夫の年収は600万円
◇ 妻は専業主婦
◇ 3歳の子供が1人

養育費算定表は夫と妻の年収をクロスして算出するので、
今回のケースでは「6~8万円で話し合う」という相場が出てきます。

この相場を元に夫婦間で話し合った結果、
6~8万円の間を取って、養育費の支払額を7万円で合意しました。
(※ 当事務所では間を取って合意されるご依頼者様が多いです。)

【養育費の相場例2】

◇ 夫の年収は300万円
◇ 妻は専業主婦
◇ 14歳の子供が1人
◇ 子供は高校進学を控えている

今回のケースでは「2~4万円で話し合う」という相場が出てきます。

この相場を元に夫婦間で話し合った結果、間を取るのではなく、
子供の高等学校進学に備えて養育費の支払額を4万円で合意しました。
(※ お子様の年齢が上がるに比例して、塾代等のお金がかかります。)

【養育費の相場例3】

◇ 夫の年収は400万円
◇ 妻は専業主婦
◇ 6歳の子供が1人
◇ 夫は住宅ローンの支払が残る

今回のケースでは「4~6万円で話し合う」という相場が出てきます。

この相場を元に夫婦間で話し合った結果、間を取るのではなく、
夫の住宅ローン債務を考慮して、養育費の支払額を4万円で合意しました。

本来住宅ローン等の借金と養育費は別々に考えますが、
夫が現実的に払える金額を考慮して、養育費の支払額が減ることもあります。

こういう訳で養育費の相場は絶対的な基準ではないので、
各ご夫婦の状況等を考慮した上で、参考程度に利用することが大切です。

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養育費の支払率を上げる方法

養育費と離婚公正証書の関係性について

話し合いで合意出来ても、それを守る・守らないは別問題となり、
離婚した後「本当に養育費を払ってくれるのかな?」という不安が残ります。

養育費の未納問題を解消する手段として、
合意内容を離婚公正証書や離婚協議書といった書類に残すという方法があります。

【離婚公正証書のメリット】

① 強制執行(差押え)が出来る
② 書類に残る=トラブル防止に役立つ
③ 相手に心理的プレッシャーを与える

離婚公正証書を作ることで①~③のメリットが生まれ、
100%安心出来る訳ではありませんが、現状支払率を上げる一番の方法です。

ちなみに離婚協議書のメリットは②しかないので、
先ずは離婚公正証書の完成を目指すことから始めることをお勧めします。

離婚協議書と公正証書の効力の違いについても詳しく解説しています。

【心理的プレッシャーの効果】

「養育費を払わないと差押え受ける。」
「給料の差押えは会社にバレてしまう。」

離婚公正証書=①強制執行というイメージが強いですが、
裁判所への手続きを考えると、差押えをしないに越したことはないので、
当事務所で原案を作る場合は③心理的プレッシャーを重要視しております。

離婚公正証書は簡単に作れるものではないですが、
「養育費を確保したい」という強い想いを持ったご依頼者様が多いです。

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離婚後の養育費の再協議

養育費の再請求はいつでも出来ます

【養育費の再協議を考える状況】

◇ 学費や入院費が必要
◇ 物価水準が上昇
◇ 貰う側が病気・入院・失職
◆ 貰う側が再婚
◆ 貰う側の年収が上がる
◆ 支払者が病気・入院・失職
(◇=増額協議 ◆=減額協議)

離婚時の話し合いで養育費の合意が出来ても、
離婚後の状況変化に応じて、双方が増額や減額の請求が出来ます。

なぜなら養育費は慰謝料財産分与と違って、
子供の成長に欠かせないお金という目的があるからです。

但し、この養育費の増額(減額)請求に応じる義務はないので、
仮に拒否された場合は、家庭裁判所の調停を申立てることになります。
(注 調停申立に抵抗がある場合は、養育費の再協議を諦めるしかありません。)

【養育費の再協議を減らす方法】

妻「学費が高いから増やして欲しい。」
夫「今でも厳しいから、やりくりして欲しい。」

養育費の再協議が出来ても、相手に応じる義務はなく、
特に離婚から時間が経っている場合「伝えずらい」と感じる方が多いです。

このような状況を減らす方法としては、
離婚協議の段階から将来を見据えて話し合うことが大切です。

【離婚時の養育費の話し合い】

妻「毎月の養育費とは別に学費の合意もしたい。」
夫「分かった。全額負担は厳しいから折半でもいい?」

例えば、離婚の時点では正確な学費は分かりませんが、
このような負担割合だけでも決めていれば、養育費の再協議は防げます。
(例 将来の学費として夫が5割、妻が5割負担することで合意した。)

こういう訳で養育費の話し合いでは近い未来だけではなく、
離婚後のトラブルを防ぐためにも、遠い未来まで考えることが大切です。