財産分与と子供の財産について解説します。

財産分与の文例

財産分与の相談は行政書士にお任せ下さい

1 甲と乙は、
預貯金の財産分与として、
平成27年12月20日に金500万円を
甲が50万円、乙が450万円を受領した。

2 甲と乙は、
不動産の財産分与として、
平成27年12月20日に
甲単独名義の不動産を
甲が全て取得することで合意した。
(不動産情報の記載は省略)

3 甲と乙は、
動産の財産分与として、
平成27年12月20日に
甲はテレビと冷蔵庫を取得し、
乙はエアコンを取得した。
(製品情報の記載は省略)

【1】財産分与について

財産分与は結婚期間中に蓄えた財産の清算を言い、
主に金銭(預貯金等)・不動産・動産(電化製品や家具)、以上3つに分類されます。

「結婚期間中に蓄えた財産」がポイントになるので、
独身時代のモノ(購入品や貯金)や相続で得た財産は対象外(分与不要)となります。

財産分与の請求期限は、離婚後2年以内(除斥期間・時効)となっております。

【2】金銭の財産分与について

金銭の財産分与(主に預貯金)は、直ぐに現金化出来るので、
離婚後のトラブルを防ぐ為にも「分けた」という証拠を残すことが大切です。

「分け前は50万円ではなく100万円だから残りを払って下さい。」
甲に悪意があればこのような嘘も言えるので、書く意義は十分あります。

尚、退職金や借金の財産分与については、
離婚の時期や状況に応じて検討する必要があります。

【3】不動産の財産分与について

不動産の財産分与は協議で自由に決定出来ますが、
住宅ローンが残っている場合は銀行からの制約も受けるので、
間違った(無効)結論を出さない為にも、専門家に相談して下さい。

又、財産分与によって名義変更を行う場合は、
移転登記(司法書士)や税金(税理士)に関する準備をしておくことも必要です。

【4】動産の財産分与について

動産(電化製品や家具)も財産分与の対象となり、
細かくなるから書く必要がないと考えている方が多いですが、
離婚後のトラブルを防ぐ証拠として役立つので、書いた方が良いです。

「エアコンあげると言ったけどやっぱり返して欲しい。」
こういった不要な再請求を防ぐ為にも、書く意義は十分あります。

【5】財産分与の分け方について

財産分与の分け方は折半(50%)が妥当だと考えられますが、
各ご夫婦の状況に応じて、柔軟な結論を出すようにして下さい。
(例 離婚後の生活資金として、専業主婦だった妻に預貯金を全て渡す。)

ちなみに文例では甲が不動産を取得した対価として、
預貯金は乙が多く貰う(500万円の内450万円)という結論を出しています。

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財産分与の進め方

理想的な財産分与の進め方をお伝えします

【目次】

● 理想的な財産分与の進め方
● 財産分与の相場(分け方)
● 不動産の財産分与の解決方法
● 動産(電化製品や家具)の財産分与
● 動産の財産分与の合意方法

財産分与は主に金銭・不動産・動産と種類が多いですが、
1つ1つ丁寧に準備出来れば、合意までの期間を短縮することに繋がります。

【理想的な財産分与の進め方】

① 現在の財産の確認
② メモ用紙に一覧表を作る
③ 誰が何を取得するか話し合う
④ 財産分与の合意

先ず財産分与は結婚期間中に蓄えた財産の清算なので、
離婚を考えた時点で自宅内にある①財産の確認から始めて下さい。
(例 家・車・預金・貯金箱・テレビ・エアコン・冷蔵庫etc)

ちなみに結婚前(独身時代)に購入したモノや蓄えていた預金、
相続で得た財産等は個人の財産なので、財産分与をする必要はありません。
(注 預金(現金)に関しては財産分与の対象になるケースもあります。)

「子供の財産はどうなりますか?」

子供の財産として子供名義の預金が考えられますが、
この預金に関する財産分与は、預金をした経緯で考え方が変わります。

例えば、子供の将来のために毎月の生活費の余りを預金していた場合、
財産分与の対象となるので、夫婦間でどのように分けるかを話し合います。
(例 子供名義の預金50万円を半分ずつ分ける。)

ただ現実的には夫婦間の話し合いで自由に決めれるので、
子供の進学費用に充てるという約束をして、親権者が管理するケースが多いです。

一方、子供がもらったお年玉やお小遣いを貯蓄していた場合は、
財産分与の対象にならないので、分け前の話し合いは不要となります。

つまり子供固有の財産となります。

次に確認した財産を②メモ用紙に残して財産分与の一覧表を作ります。

夫「家と車はもらいたい。」
妻「その代わり預金と生活家電はもらいたい。」

次に夫婦で財産分与の一覧表を見ながら、
このように③誰がどの財産を取得するかについて話し合います。

そして全ての財産の取得が決まれば、財産分与の合意となります。

【財産分与の相場】

◇ 話し合いで自由に決定
◇ 折半(5対5)が公平かつ妥当
◇ 夫婦の状況に応じて柔軟に対応

協議離婚は夫婦間の話し合いをベースに進めるので、
財産分与の相場(分け方)についても、自由に決定することが出来ます。
(例 預金の財産分与として夫が30万円、妻が70万円取得する。)

ただ財産分与は結婚期間中に蓄えた財産の清算なので、
相場(分け方)としては、折半が公平かつ妥当だと考えられています。
(例 預金の財産分与として夫が50万円、妻が50万円取得する。)

妻「子供が小さいからフルタイムで働けない。」
夫「分かった。預金は全て持って行ってくれていいよ。」

各ご夫婦によって離婚時の状況は異なるので、
このように相場(折半)を無視して柔軟な結論を出しても問題はありません。
(例 預金の財産分与として妻が全額(100万円)取得する。)

当事務所では、共働きのご夫婦は折半、
専業主婦や子供が幼いご夫婦は柔軟な結論を出すケースが多いです。

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不動産の財産分与の解決方法

不動産の財産分与は住宅ローンとの関係が深いです

【揉めない結論】

A案 家の売却益を半分ずつ分ける
B案 夫が家を貰う代わりに妻に現金を渡す

住宅ローンを完済している場合、A案やB案を選ぶことが出来て、
協議で揉める可能性が低く、双方が納得出来る財産分与の方法と言えます。

A案は家を売却してその利益を清算するという財産分与、
B案は一方が住み続ける代わりに他方にお金を渡すという財産分与です。

ただ現実的には住宅ローンが残っているご夫婦が多いので、
AB案を選ぶことが出来ず、離婚時の状況に応じた結論を探す必要があります。
(注 住宅ローンが残っている場合、銀行の承諾なく自由に処分出来ません。)

ちなみに不動産の名義変更(夫から妻)が起きる場合は、
法務局での登記が必要になるので、司法書士へ相談することになります。
(※ 税金の相談については税理士へ相談することになります。)

【離婚時の不動産の状況】

① 購入して間もない
② 購入時に頭金を出している
③ 共有名義になっている
④ 売却しても住宅ローンが残る
⑤ 連帯保証人になっている

住宅ローン以外の例として①~⑤を挙げましたが、
各組合せによって結論も変わるので、専門家への相談をお勧めします。

例えば、④残っている住宅ローンを完済出来ない限り、
銀行は売却を認めてくれないので、売却という財産分与は消えます。

又、夫が主債務者で⑤妻が連帯保証人になっている場合、
新しい連帯保証人を探す必要があり、話し合いが長引く可能性があります。

こういう訳で不動産の財産分与を考える場合、
離婚時の状況に応じて、夫婦間の話し合いを進めることになります。

【不動産の状況確認方法】

◇ 不動産の名義人  → 登記簿謄本
◇ 住宅ローンの状況 → 返済計画書
◇ 連帯保証人の有無 → 銀行との契約書
◇ 売却時の相場確認 → 不動産屋

不動産の財産分与はこれらの資料収集から始めて下さい。

最後にこれまでの経験で感じたことをお伝えすると、
離婚の時点で住宅ローンが残っていたり、①~⑤に該当する場合、
話し合いが難航し、協議離婚を諦め調停離婚に進む方もいらっしゃいます。

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動産の財産分与は面倒?

電化製品や家具の財産分与は大切です

【動産の財産分与】

◇ 電化製品
◇ 家具

動産とは電化製品や家具のことを言い、
量が多いことから財産分与の話し合いは面倒だと考える方が多いです。

夫「テレビを返して欲しい。」
妻「今更言われても困ります。」

ただ動産の財産分与の話し合いを避けた場合、
離婚後、このようなトラブルに巻込まれる可能性があります。

正直な話「たかがテレビ」と思うかもしれませんが、
新生活を始めた矢先に言われると、気分がいいものではありません。

こういう訳で面倒だと思っても、動産の財産分与はするべきです。

【動産の財産分与の合意】

◇ パソコン
◇ プリンター
◆ テレビ
◆ 冷蔵庫
◆ 洗濯機
◆ エアコン・掃除機・空気清浄機etc
(◇ 夫が取得 ◆ 妻が取得)

動産の財産分与は自宅内の財産が対象になるので、
全ての動産の合意を目指すと、時間がかかるというデメリットがあります。

「1つ1つ話し合うのは大変です・・・」

当事務所で離婚公正証書や離婚協議書を作るご夫婦の多くが、
動産の財産分与に関してはこのように感じ、その気持ちは理解出来ます。

「離婚後、返してと言われたら嫌なモノだけ話し合う。」
「高価なモノ、個人的に思い入れのあるモノだけ話し合う。」

全ての動産の財産分与の合意が難しい場合は、
このような視点で話し合いを持つことをお勧めしております。
(※ 当事務所ではこの方法で財産分与の合意をされるご夫婦が多いです。)