慰謝料の書き方・文例について解決

浮気・不倫の慰謝料の文例と書き方をわかりやすく解説

慰謝料の文例と書き方・支払時期・期限の利益の喪失事項などを解説

【目次】

1.浮気・不倫の慰謝料の文例と書き方
 ‐慰謝料を支払うベストな時期について
 ‐期限の利益の喪失事項とは?
 ‐離婚チェックシートを利用しませんか?
2.慰謝料を請求できる条件と相場
3.浮気・不倫をした配偶者に慰謝料を請求する
4.浮気・不倫相手だけに慰謝料を請求する
 ‐浮気・不倫相手への請求の流れ
 ‐浮気・不倫相手に請求する時に抱える負担
5.離婚協議書や公正証書を作るか悩んでいる方へ

先ず慰謝料請求の条件や相場の詳細をお伝えする前に、
離婚協議書や離婚公正証書を作る時に役立つ文例や書き方を解説します。

離婚協議書と離婚公正証書全体の文例もあります。詳しくはこちらです。
(※ 実務で使っている15個の文例と書き方なので是非ご覧下さい。)

離婚協議書や離婚公正証書を作る予定がない方は、
この項目を飛ばして次の2.慰謝料を請求できる条件と相場をご覧下さい。

↓の青文字が1.浮気・不倫の慰謝料の文例と書き方(テンプレート)になります。

1号 慰謝料の合意
甲は乙に慰謝料として金120万円を支払う義務があることを認め、
金120万円の内80万円は、令和5年1月10日に乙に交付した。

残り金40万円は、令和5年2月から令和5年9月まで、
毎月5万円を毎月15日までに、8回に分割して乙の口座に振込み支払う。

2号 期限の利益の喪失事項
慰謝料の分割金の支払を怠れば、期限の利益を失い、
慰謝料全額(既払分があれば控除する)を直ちに支払う。

①慰謝料の原因について

慰謝料支払の合意ができて離婚協議書や公正証書を作る場合、
「なぜ払うことになったのか」という原因を書くことが望ましいです。
注)文例1号には文字数の関係上、原因の記載を省略しています。

主な原因として配偶者の浮気(不倫・不貞行為)が考えられます。
性格の不一致については慰謝料支払の原因にはならないのでご注意下さい。

②慰謝料の金額について

協議離婚では慰謝料の金額を話し合いで決めることができます。
配偶者の支払能力を計算・考慮した上で結論を出すことをお勧めします。

慰謝料の原因が浮気・不倫だと感情的になり高額請求をしがちですが、
配偶者の支払能力に見合った金額で合意しないと未払いのリスクが高まります。

つまり慰謝料請求をする場合「支払能力の計算」は重要な作業となります。

このような事情があるため慰謝料の相場(平均)をお伝えするのが難しく、
ご依頼者様の中でも浮気・不倫の慰謝料は50万円~300万円と幅が広いです。

③慰謝料の前払いについて

文例1号の前払金(80万円)は離婚前にもらうことができるので、
「書く必要がない」と考える方が多いですが、証拠として記載することが大切です。
注)離婚前に一括でもらった場合でも証拠として記載して下さい。

「慰謝料もらってないから80万円払って下さい。」
乙に悪意があれば、このようなウソをつけるので書く意義は十分あります。

④慰謝料の分割払いについて

慰謝料の分割払いでは強制執行(差押え)に備えて、
支払期間・分割回数・金額・支払日、以上4点を必ず記載して下さい。

仮に強制執行ができない離婚協議書を作った場合でも、
この4点を記載することで離婚後のトラブル防止(証拠)へと繋がります。
(※ 離婚公正証書を作った場合は強制執行という効力を得られます。)

⑤慰謝料を支払うベストな時期について

慰謝料を支払うベストな時期は離婚前に一括で受取ることです。

なぜなら一括払いになれば未払いのリスクがゼロとなり、
特に専業主婦の場合は慰謝料を離婚後の生活費に充当できるからです。

ただ一括で慰謝料を払ってもらえるケースは稀なので、
現実的には分割払い(支払回数は話し合い)で合意する夫婦が多いです。

⑥浮気・不倫相手に対する請求について

浮気・不倫の慰謝料は配偶者ではなく相手に請求することも可能です。

ただ浮気・不倫相手に請求する場合は精神的な負担が大きいので、
自分で動かずに代理交渉をしてくれる弁護士さんへ依頼する方が多いです。

⑦離婚後に請求するリスク

離婚時の状況によっては離婚後に慰謝料を請求することもあります。
(例 子供の保育園の関係で離婚届の提出を優先する。)

このケースでは離婚後に請求すると話し合いに応じてくれなかったり、
話し合いができても進まなくて妥協せざるを得ない状況になりやすいです。

こういう訳で慰謝料の請求は離婚前にして合意することが望ましいです。

⑧期限の利益の喪失事項とは?

期限の利益の喪失事項を端的にお伝えすると、
「慰謝料の支払を怠れば残額を一括請求されてもいい」というものです。

期限の利益とは本来一括で支払うべき慰謝料について、
分割払い(分割という猶予期間を得たという利益)にできたとことを言います。

喪失事項については複数ありますが文字数の関係上、
文例2号では1つだけ(分割金の支払を怠る)記載しております。

この文例がなければ強制執行をする時に大きな不利益が生じるので、
慰謝料支払の合意と期限の利益の喪失事項はセットで考えるようにして下さい。
(※ 離婚公正証書を作った場合は強制執行という効力を得られます。)

⑨離婚チェックシートを利用しませんか?

協議離婚で話し合う離婚条件は慰謝料だけではなく、
親権・養育費・面会交流・財産分与・年金分割などたくさんあります。

この離婚条件の情報は自分達で集める必要がありますが、
「有益な情報を集める方法がわからない」という問題を抱える方が多いです。

この問題を解消するのがオリジナルの離婚チェックシートです。
離婚チェックシートがあればこのページや他のページを読む必要はありません。

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
離婚チェックシートの送付&内容説明(90分程度)から始めています。
(離婚協議書や離婚公正証書の詳細はこちらをご覧下さい。)

当事務所には20代~30代のご依頼者様が多いので、
チェックシートには養育費と面会交流に関する質問を多く掲載しています。
全13ページ63個(養育費18個、面会交流13個)の情報を掲載しています。

もちろん慰謝料に関する質問も掲載しています。
具体的には↓のように○×回答の質問を多く掲載しています。

例1「養育費はいつまで払う?(選択肢は5つ)」
例2「定期面会はどうしますか?(選択肢は3つ)」
例3「預金の財産分与はどのように記載する?(選択肢は3つ)」

離婚チェックシートがあれば効率のいい離婚協議が期待できます。
ご依頼者様にも好評です。詳細は離婚チェックシートの内容と使い方ご覧下さい。

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2.慰謝料を請求できる条件と相場

慰謝料請求の条件と相場をわかりやすく解説

離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
どのような状況でも慰謝料の請求はできると考えている方が多いです。

離婚原因によって慰謝料請求の可否が決まるので↓で詳しく解説します。

離婚原因とは?

① 配偶者の浮気(不倫・不貞行為)が原因
② 配偶者の暴力(DV)が原因

先ず離婚時の慰謝料請求とは婚姻期間中に、
配偶者から受けた肉体的・精神的苦痛をお金で解決することを言います。

上述の通り、全ての夫婦が慰謝料請求をできる訳ではなく、
離婚原因が配偶者の①浮気・不倫や②暴力の時などにできるものです。

つまり離婚原因の中で1番多いと言われている、
性格の不一致については慰謝料請求をできないのでご注意下さい。

尚、配偶者の暴力(DV)が原因で慰謝料請求をする場合、
自分で行動するのは危険なので弁護士さんへの相談や依頼をお勧めします。

ちなみに離婚原因が浮気・不倫や暴力だったとしても、
配偶者が認めない場合は証拠がないと慰謝料請求をすることが難しいです。
(例 夫が浮気を認めない上、証拠の写真を出せと言ってくる。)

最後に慰謝料の請求期限は原則離婚後3年以内という時効があるので、
慰謝料の金額などの合意をしてから離婚届を提出することをお勧めします。

次に浮気・不倫をされた時の慰謝料の相場(平均)について↓で解説します。

相場の計算方法について

◇ 自由に金額を決めれる
◇ 現実的な金額での合意を目指す

協議離婚は第三者の関与を受けず夫婦間の話し合いで進めるので、
浮気(不倫・不貞行為)をされた時の慰謝料の金額は話し合いで自由に決めれます。

Q浮気・不倫をされた時の慰謝料の相場はある?

ただ自由に決めれると言っても相場を知りたいという方が多く、
このようなご質問をよく頂きますが具体的な金額を計算することは難しいです。

なぜなら浮気・不倫の慰謝料支払は分割払いになるケースが多く、
浮気・不倫をした「配偶者の支払能力」という問題が大きく影響するからです。
(例 配偶者の年収が1000万円と300万円では払える金額に差が出る。)

もちろん配偶者の支払能力を無視して合意しても構わないですが、
結局は未払いになる可能性が高いのでお勧めすることはできません。

こういう訳で離婚協議書や離婚公正証書を作るご依頼者様の中でも、
浮気・不倫の慰謝料については50万円~300万円の間で合意と幅が広いです。

この幅が大きいので相場をお伝えすることが難しいという結論になります。

ちなみに子供の養育費の相場では算定表を利用できますが、
浮気・不倫の慰謝料の相場を考える場合、このような算定表はありません。

最後に慰謝料支払の原因が浮気・不倫だと裏切られたという気持ちが強くなり、
高額請求を考えがちですが現実的な金額での合意を目指すことが望ましいです。

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3.浮気・不倫をした配偶者に慰謝料を請求する

浮気・不倫をした配偶者に慰謝料を請求する流れ

配偶者の浮気(不倫・不貞行為)が原因で離婚する場合、
精神的苦痛の対価として配偶者に慰謝料請求をすることができます。

今回は夫の浮気・不倫を例に解説しますが妻がしても同じ扱いになります。

夫への請求の流れ

① 夫が浮気を認める
② 慰謝料の金額の話し合い
③ 慰謝料の支払方法の話し合い
④ 話し合いで合意した条件を整理する

先ず夫に慰謝料請求をするための条件として、
夫が浮気・不倫をしたという事実を認めている必要があります。
仮に認めない場合は客観的に証明できる証拠を用意しないといけません。

証拠とは夫が浮気・不倫相手とホテルに入る写真などです。

次に夫が浮気・不倫を認めたら慰謝料の金額の話し合いを始め、
夫の支払能力(収入と支出)をもとに計算し現実的な金額を算出します。

協議離婚では慰謝料の金額について話し合いで決定するので、
この「支払能力をもとに計算」という方法は複数ある方法の内の1つです。

先述の通り、支払能力を無視して計算するという選択肢もあります。

ちなみに浮気・不倫の慰謝料請求では夫が非を認めていることから、
非現実的な金額を求めても夫は支払能力を無視して受入れることがあります。
注)非現実的な金額で合意しても約束通り払ってくれるとは限りません。

次に慰謝料の支払方法については一括払いのケースでは離婚前に受取る、
分割払いの場合は支払期間・分割回数・金額・支払日を決めるようにして下さい。
注)離婚後に一括で受取る場合は未払いのリスクがあります。

尚、文例1号のように一括払いと分割払いの併用支払という方法もあります。

最後に合意した条件については口約束で終えても構わないですが、
離婚後のトラブルを防ぐためにも証拠として書面化することをお勧めします。

書面とは離婚協議書、又は離婚公正証書を指します。
(※ 詳細は離婚協議書と離婚公正証書とはをご覧下さい。)

ちなみに離婚公正証書には証拠としての効力だけではなく、
慰謝料の未払いが起きた時に強制執行(財産の差押え)をすることができます。

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4.浮気・不倫相手だけに慰謝料を請求する

浮気・不倫相手への慰謝料請求の条件や流れを解説

浮気・不倫の慰謝料請求は配偶者ではなく相手だけにすることも可能です。

請求するための条件とは?

① 浮気(不倫・不貞行為)は性行為を指す
② 浮気・不倫相手が配偶者は既婚者だと知っていた
③ 浮気・不倫をしていたという証拠

浮気・不倫相手に慰謝料の請求をすると決めた場合、
①~③の条件を満たしていないと請求することが難しいです。

先ず①浮気・不倫とは性行為を指しているので、
食事や映画に行っただけでは慰謝料の請求はできません。

次に②配偶者が相手に未婚(独身)だと伝えていた場合、
相手に慰謝料の請求ができない可能性があるのでご注意下さい。
(※ このケースでは配偶者へ請求することになります。)

最後に相手が浮気・不倫をしたと認めない可能性もあるので、
証拠(ホテルへ出入りする写真など)を準備する必要があります。

浮気・不倫相手への請求の流れ

① 浮気・不倫が発覚
② 相手と話す環境を作る
③ 慰謝料の金額の話し合い
④ 慰謝料の金額の決定と支払い

先ず慰謝料を受取るためには浮気・不倫相手との交渉が必要なので、
自分で連絡をして会うという②話し合いができる環境を作ることになります。

そして慰謝料の金額について合意することができれば、
あとは相手からの支払を待ちます。支払を確認したら終了となります。

尚、将来のトラブル防止のために支払を確認したら、
支払確認・第3者への口外禁止などを記載した示談書の作成をお勧めします。

浮気・不倫相手に請求する時に抱える負担

◇ 浮気・不倫相手に会う必要がある
◇ 慰謝料の金額や支払方法の交渉をする

自分で浮気・不倫相手に慰謝料の請求をする場合、
自分で連絡をして会った上で金額や支払方法の話し合いが必要です。

相手と交渉するという行為は「精神的な負担が大きい」です。

さらに慰謝料を一括で受取った場合は示談書(誓約書)の作成や、
分割払いになった場合は未払いに備えて公正証書作成の検討が必要です。

このような負担を軽減する方法は弁護士さんへの依頼です。
費用はかかりますが弁護士は代理人として相手と交渉をしてくれます。

この費用についてはハードルが高いと感じる方が多いので、
表現は悪いですが「お金を取りやすい」配偶者へ請求する方が多いです。

当事務所では離婚協議書や離婚公正証書の作成をしていて、
相手に慰謝料の請求をしたご依頼者様の多くが弁護士へ依頼しております。

このケースでは相手から慰謝料の支払を受けているので、
夫婦間の離婚協議では慰謝料の話し合いをすることはありません。

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5.離婚協議書や公正証書を作るか悩んでいる方へ

離婚協議書や公正証書作成に対する思い

「安心感が生まれて後悔しないものを作りたい」と考えているはずです。
「安心感や後悔」(思い)にこだわるのであれば、以下2点がポイントになります。

・夫婦間で離婚条件について話し尽くすこと
・離婚協議書や公正証書には細かい条件まで記載すること

当事務所ではご依頼者様のこの思いを大切にしたいので、
契約期間を設けずに時間をかけて離婚協議書や離婚公正証書の作成を進めています。

もちろん料金は「○万円~」ではなく固定料金なので、
どれだけ時間がかかっても追加料金は頂きません。安心して下さい。

この結果、質と内容の伴った離婚協議書や公正証書ができています。

当事務所では正式なご依頼の前に無料相談から始めています。
無料相談を通して、私(行政書士の辻)との相性や経験値を確認して下さい。
相談中・相談後に依頼を求めるような営業行為はしないので安心して下さい。

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