年金分割の合意書とはという疑問を解決

年金分割の合意書の文例(書式)と書き方

年金分割合意書の文例と書式

【目次】

1.年金分割合意書の文例(書式)と書き方
2.年金分割とは
3.3号分割の特徴と手続き
4.合意分割の特徴と手続き

先ず『年金分割の特徴や手続きの方法』に関する詳細をお伝えする前に、
離婚公正証書や年金分割の合意書を作る時に役立つ文例や書き方を解説します。

離婚協議書と離婚公正証書全体の文例もあります。詳しくはこちらです。
(※ 実務で使っている15個の文例と書き方なので是非ご覧下さい。)

離婚公正証書や年金分割の合意書を作る予定がない方は、
この項目を飛ばして、次の『2.年金分割とは』をご覧下さい。

↓の青文字が年金分割合意書の文例となります。

甲(第1号改定者)と乙(第2号改定者)は、
厚生年金保険法第78条の2の規定により、
日本年金機構理事長に対し、対象期間(婚姻期間)に係る
被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること
および請求すべき按分割合を0,5とすることに合意した。

①年金分割について

年金分割の制度や手続方法について↓でお伝えしますが、
正直な話、文字(HP)だと上手く解説することが難しいと感じています。

出来る限り、分かりやすい言葉で解説していますが、
『よく分からない』という方は無料の電話相談をご利用下さい。

②年金分割の合意書について

先ず年金分割には3号分割合意分割、以上2つの手続方法があります。

離婚後、『1人』で合意分割の手続き(請求)を行いたい場合は、
公証役場で年金分割の合意書を作り、年金事務所に提出する必要があります。

逆に元夫婦が揃って年金事務所へ行ける場合、この合意書を作る必要はありません。

ちなみに合意分割ではなく、3号分割の手続きをする場合、
年金分割の合意書は不要です。何も作らずに1人で年金事務所にて請求が出来ます。

③文例(書式)と書き方について

文例(青文字)を見て頂くと難しい言葉で埋め尽くされていますが、
話し合いで決める按分割合(文例では0,5)以外は丸写しで問題ありません。

一般的には折半(50%)が妥当だと考えられるので、
合意分割の按分割合は0,5(50%)で合意される夫婦が多いです。

尚、年金分割の請求期限は離婚後2年以内(時効)となっています。

ちなみにこの年金分割の合意書は離婚前に作る時の文例なので、
離婚後に作りたいと考えている場合は、内容が変わるのでお気軽にご相談下さい。

④合意分割の按分割合について

按分割合は範囲内であれば、話し合いで自由に決定出来ます。

按分割合の範囲の最大値は折半(50%)ですが、
最小値は各夫婦によって異なるので、事前に調べる必要があります。
この範囲は次の⑤で解説する『年金分割のための情報通知書』に記載されています。

ちなみに3号分割は一律折半となっているので、話し合いは不要となります。

⑤年金分割の改定者について

年金分割をすることで減る人が第1号改定者、増える人が第2号改定者です。
(※ 一般的に第1号は夫、第2号は妻になるケースが多いです。)

年金事務所に『年金分割のための情報通知書』を請求すれば、
婚姻期間の年金情報、改定者の情報、按分割合の範囲を知ることが出来ます。

合意分割の請求を考えたら、この情報通知書の請求から始めて下さい。

⑥年金分割の合意書と公正証書について

合意分割の話し合いで決めた按分割合を書面化する場合、
2つの書面(年金分割の合意書又は公正証書)の内、いずれかを作ることになります。

文例(書式)はどちらも同じ内容ですが、作り方と費用が異なります。
詳しい解説は差し控えますが、費用が安い年金分割の合意書の作成をお勧めします。

⑦離婚チェックシートについて

協議離婚で話し合う離婚条件は年金分割だけではなく、
親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与などたくさんあります。

これら離婚条件の情報は夫婦(自分達)で集める必要がありますが、
『集めた情報が正しいか分からない』といった不安を覚える方が多いです。

この不安を解消するのがオリジナルの離婚チェックシートです。
全13ページ63個(養育費は14個、面会交流は13個)の情報を掲載しています。

離婚チェックシートがあれば効率の良い離婚協議が期待出来ます。
ご依頼者様にも好評です。詳細は離婚チェックシートの内容と使い方ご覧下さい。

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2.年金分割とは

年金分割の制度

先ず全ての夫婦が年金分割を利用出来る訳ではないので、
自分が対象者として該当するか、確認することから始めて下さい。

【年金分割の制度とは】

① 婚姻期間中に納めた
② 厚生年金が対象になる

年金分割は婚姻期間中に夫婦の一方(両方)が納付した、
厚生年金の一部を他方(配偶者)に分割(移す)することを言います。
(例 夫が納付した厚生年金の一部を妻へ分割する。)

年金分割は妻だけの権利だと思われがちですが、
婚姻期間中の働き方(共働きや専業主夫)によっては、
妻が年金分割をする側になるケースもあるのでご注意下さい。

ちなみに共働きの夫婦は経済的に自立しているので、
あえて『年金分割をしない』という結論を出すご依頼者様も多いです。
(※ 当事務所では離婚協議書や離婚公正証書の作成をしています。)

Q「婚姻期間中は国民年金しか納付していないのですが・・・」

婚姻期間中に国民年金しか納付していない場合は、
年金分割の対象者から外れるので、この制度を利用することは出来ません。
(※ 主に自営業を営んでいる夫婦が該当することになります。)

つまり年金分割は出来ないので、話し合いをしても無駄な時間となります。

【年金分割の手続方法とは】

① 3号分割を請求する
② 合意分割を請求する
③ 3号と合意(併用)を請求する

年金分割の手続き(請求)方法は3パターン(①~③)あり、
自由に選べる訳ではなく、婚姻日や婚姻期間中の働き方によって決まります。

つまり自分がどの手続方法に該当するかという判断を間違えると、
時間の無駄になるので、判断が難しい場合は専門家への相談をお勧めします。
(例 3号分割に該当すると気付かずに、合意分割の話し合いをしてしまう。)

手続方法は次の『3.3号分割の特徴と手続き』以降で詳しくお伝えします。

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3.3号分割の特徴と手続き

3号分割の請求方法は簡単で分かりやすい

【3号分割の特徴】

① 平成20年4月以降に納付した年金が対象
② 婚姻期間中は専業主婦、又は扶養内の仕事
③ 配偶者との話し合いは不要
④ 手続き(請求)をすれば一律折半(50%)で分割

3号分割の特徴は③配偶者との話し合いは不要となり、
離婚後、『1人』で年金事務所に出向いて手続きを行うことが出来ます。

後述する合意分割の手続方法と比較すると簡単で分かりやすく、
年金分割のための情報通知書の取得や合意書を作る必要はありません。

但し、配偶者との話し合いが不要というメリットがある代わりに、
①や②といった条件があるので、誰もが利用出来る手続きではありません。

ちなみに配偶者に内緒で3号分割の手続きをしても良いですが、
後で知れば怒る(トラブル)可能性があるので、離婚前に制度の説明をして下さい。

Q「共働きの夫婦はどうなりますか?」

共働きの夫婦は共に厚生年金を納付(扶養外の仕事)しているため、
②の条件をクリアすることが出来ず、3号分割ではなく合意分割の対象となります。

基本的に3号分割の対象から外れる場合は、合意分割だとお考え下さい。

【3号分割の事例1】

◇ 平成20年5月に婚姻
◇ 平成29年10月に離婚
◇ 夫は会社員で厚生年金を納付
◇ 妻は専業主婦

先ず夫が会社員で厚生年金を納付しているので、
年金分割の対象となり、手続方法を考える必要があります。

婚姻の時期が平成20年4月以降で、妻は専業主婦だったので、
3号分割に該当することになり、離婚後1人で年金事務所にて手続きが出来ます。
(※ 上述した3号分割の特徴の①と②の条件をクリアしています。)

3号分割の手続きをすれば、折半(50%)で分割したことになります。

Q「婚姻期間中、妻が扶養内パートを3年間していた場合はどなりますか?」

専業主婦と扶養内パートは同一と考えることが出来るので、
このような状況でも3号分割に該当するので、難しく考えなくて大丈夫です。

【3号分割の事例2】

◇ 平成15年6月に婚姻
◇ 平成29年11月に離婚
◇ 夫は会社員で厚生年金を納付
◇ 妻は専業主婦

婚姻の時期が平成20年4月より前で、妻は専業主婦だったので、
婚姻から平成20年3月までは合意分割、それ以降は3号分割となります。

つまり合意分割の期間については按分割合の話し合いが必要で、
逆に3号分割の期間は不要となり、2つの手続きに該当する併用請求となります。

この併用請求があるので、年金分割の手続きが難しいと感じる方が多いです。

上述の通り、3号分割の手続きは分かりやすいですが、
婚姻時期や働き方に左右されるので、請求出来る方が少ないという特徴があります。

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4.合意分割の特徴と手続き

合意分割の請求方法は難しくてややこしい

【合意分割の特徴】

① 婚姻~平成20年3月までに納付した年金が対象
② 夫婦間の話し合いで按分割合を決定
③ 按分割合の範囲を知るために情報通知書が必要
④ 離婚後2人揃って手続き(請求)をする
(※ ①に関しては例外があります。)

先ず合意分割は配偶者との②話し合いが必要となるので、
按分割合の合意が出来ない限り、年金分割の手続きは出来ません。

按分割合が一律折半(50%)になる3号分割と異なります。
つまり話し合いが不要な3号分割に比べて、手間がかかる手続きと言えます。

次に各夫婦によって③按分割合の範囲が異なるので、
事前に『年金分割のための情報通知書』の請求が必要となります。

按分割合の範囲の最大値は折半(50%)ですが、最小値が各夫婦で異なります。
(例 按分割合の範囲は『○%を超え、50%以下』という形で記載されています。)

年金分割のための情報通知書は年金事務所に請求することになります。

ちなみに離婚後、『1人』で手続きをしたいと考えている場合は、
離婚前に公証役場で『年金分割の合意書』又は『公正証書』を作る必要があります。
(※ 時効の問題(請求期限)をクリア出来れば、離婚後に作ることも可能です。)

最後に話し合いで按分割合の合意が出来ない場合は、
年金分割を諦めるか、家庭裁判所の調停で解決を目指すことになります。

【合意分割の事例1】

◇ 平成20年1月に婚姻
◇ 平成29年12月に離婚
◇ 夫は会社員で厚生年金を納付
◇ 妻は会社員で厚生年金を納付

先ず夫も妻も会社員で厚生年金を納付しているので、
年金分割の対象となり、手続方法を考える必要があります。

この夫妻は平成20年1月に婚姻していることから、
合意分割に該当することになり、按分割合の話し合いが必要となります。
(※ 上述した合意分割の特徴①の条件に当てはまっています。)

Q「平成20年4月以降の年金はどうなりますか?」

共働きの夫婦(扶養外の仕事)は3号分割の対象から外れるので、
平成20年4月以降も合意分割に該当します。つまり全期間が合意分割です。
(※ 上述した合意分割の特徴①の例外に当てはまります。)

次に合意分割の按分割合の範囲を知るために、
年金事務所で年金分割のための情報通知書を請求することになります。

最後に按分割合の合意が出来れば、離婚した後に
夫妻が年金事務所に出向いて手続きをすれば、年金分割は終了となります。

【合意分割の事例2】

◇ 平成22年4月に婚姻
◇ 平成29年11月に離婚
◇ 夫は会社員で厚生年金を納付
◇ 妻は会社員で厚生年金を納付
◇ 婚姻中、妻は4年間の専業主婦の期間がある

婚姻の時期が平成20年4月以降で、妻は会社員と専業主婦の期間があるので、
会社員の期間は合意分割、専業主婦の期間は3号分割となる併用請求となります。

この会社員や専業主婦の期間で手続方法が変わるので、
年金分割の手続きはややこしくて難しいと感じる方が多いです。

婚姻期間が短い夫婦の場合、この併用請求に該当するケースが多いです。
将来的にこのケースに該当する夫婦は、少しずつ増えていくと予想されます。

以上で年金分割に関する解説は終了となりますが、
先述の通り『難しい』という方はお気軽に無料の電話相談をご利用下さい。