協議離婚とはという疑問を解決

協議離婚の文例と書き方

協議離婚の書き方

【目次】

1.協議離婚の文例と書き方
2.協議離婚の進め方
3.協議離婚の期間と費用
4.離婚前に知っておきたい協議離婚のトラブル例
5.離婚届と離婚成立後の手続き

先ず『協議離婚とは』という意味をお伝えする前に、
離婚協議書や離婚公正証書を作る時に役立つ書き方を↓で解説します。

離婚協議書と離婚公正証書全体の文例もあります。詳しくはこちらです。
(※ 実務で使っている15個の文例と書き方なので是非ご覧下さい。)

離婚協議書や離婚公正証書を作る予定がない方は、
この項目を飛ばして、次の『2.協議離婚の進め方』をご覧下さい。

甲(夫)と乙(妻)は、本離婚協議書をもとに
離婚給付等に関する契約公正証書を作成した後、離婚届を提出する。

①表記について

離婚協議書や離婚公正証書を作る場合の表記は、
一般的に『夫と妻』ではなく『甲と乙』を使うことになります。

3人目以降の登場人物(主に子供)は『丙や丁』を使いますが、
当事務所では分かりやすいように『長男や長女』を使っています。

氏名を書く場合、協議離婚の前後で表記が変わるのでご注意下さい。
離婚前に作る場合は『婚姻中の氏』で離婚後は『離婚後の氏』となります。

②離婚給付等~公正証書について

離婚公正証書を作る時に必要な文言なので、離婚協議書では不要です。
離婚協議書と離婚公正証書の文例や書き方は、一部を除きほとんど一致します。

③離婚届について

この文言を入れるご依頼者様は多いですが、
入れる、入れないの判断は各夫婦の判断で決めることが出来ます。

離婚前に離婚協議書や離婚公正証書を作る場合、
完成後に離婚届を提出しないと、効力が発生しないのでご注意下さい。

つまり離婚協議書や離婚公正証書が出来たら、迅速に離婚届を提出して下さい。

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2.協議離婚の進め方

協議離婚を効率良く進める方法

先ず協議離婚は他の離婚方法(調停や裁判)とは違い、
裁判所の関与を受けることはなく、夫婦間の話し合いで進めます。

つまり協議離婚の進め方は自由となりますが、
一般的な流れを↓でお伝えするので、これからという方は参考にして下さい。

【進め方や流れ】

① 夫婦共に離婚したいと思う
② 離婚条件の話し合いを開始
③ 全ての離婚条件について合意
④ 離婚協議書や離婚公正証書の作成
⑤ 離婚届を提出し、協議離婚の成立
⑥ 離婚後の手続きを始める

先ず離婚する夫婦の内、約9割が選択する協議離婚の成立条件は、
離婚の意思、親権者の決定、離婚届の提出、以上3点を満たすだけです。

協議離婚の成立条件は3つだけなので、シンプルで分かりやすいです。

Q「③全ての離婚条件とはどういう意味ですか?」

親権、養育費、慰謝料、財産分与などを離婚条件と言いますが、
協議離婚の成立条件で求められているのは『親権者の決定』だけです。

つまり未成年の子供がいる場合、親権の話し合いは必要ですが、
養育費、慰謝料、財産分与など他の離婚条件については任意となります。

任意とは各夫婦の判断で話し合いをする、しないを決めることが出来ます。

ただ夫婦の判断で話し合いをしないと決めた場合、
離婚後、↓のようなトラブルが起きる可能性があるのでご注意下さい。

元妻「生活が厳しいから、養育費を払って欲しい。」
元夫「今頃言われても困る。こっちにだって生活があるから。」

このトラブルは離婚時に話し合いをしていれば防げたので、
任意だと言っても、養育費などの話し合いをすることをお勧めします。

こういう訳で③には『全ての離婚条件について合意』と書いています。

ちなみに『④離婚協議書や離婚公正証書の作成』も任意なので、
詳しく知りたいという方は、離婚協議書と離婚公正証書とはをご覧下さい。

Q「効率の良い協議離婚の進め方や流れはありますか?」

これは協議離婚に限らず、何事にも言えることですが、
端的に言えば『二度手間を避ける』です。この一言に尽きます。

協議離婚で一番大変なのは離婚条件の話し合いで、
この話し合いの場では↓のように二度手間が起きるケースが多いです。

夫「養育費は毎月3万円で20歳まで払うでOKだね。」
妻「昨日友達から20歳ではなく、4大卒にしたらと言われて・・・」

二度手間が起きる原因は離婚条件の情報収集が不十分だからです。

不十分な状態で協議離婚の話し合いを始めると、
新情報が入るたびに再協議が行われます。つまり効率が悪いです。

こういう訳で協議離婚の話し合いを始める前段階として、
正確な情報や知識を集めることが、効率の良い進め方と流れになります。
(※ インターネット、書籍、経験者、専門家などから集める方が多いです。)

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3.協議離婚の期間と費用

協議離婚成立までの期間

協議離婚の期間を端的に言えば『各夫婦でバラバラ』です。
ただそれだと身も蓋もない話になるので、↓にその理由をお伝えします。

【期間について】

◇ 最短1日もあり得る
◇ 1年以上かかることもある
◇ 平均的な期間は1~2か月

先述の通り、協議離婚の成立条件は3つしかないので、
これらを満たせば、↓のように最短1日という期間で終えることも出来ます。

妻「もう限界。離婚したい。」
夫「分かった。明日離婚届を出しに行こう。」

婚姻期間が短いことに加えて、子供がいない夫婦の場合、
話し合う離婚条件の種類が少ないので、1日離婚の可能性が高まります。

ただ離婚条件が少ないといっても0ではないので、
離婚後のトラブルを防ぐためにも、全て話し合う(合意)ことが大切です。

ちなみに未成年の子供がいる夫婦の場合、親権の決定さえすれば、
協議離婚の成立条件を満たすので、1日で離婚することも可能となります。
但し、この状況では養育費や面会交流の話し合いを棚上げ(省略)しています。

棚上げした結果、離婚後にトラブルが起きる可能性は高まります。

つまり手続き上は1日という期間で離婚することは可能ですが、
離婚後のトラブル防止という視点からすると、期間にこだわり過ぎるのは危険です。

次に↓のように離婚条件の話し合いが難航した場合、
平行線が続き前進出来なくて、期間が1年以上かかるケースもあります。

妻「養育費は+5万円、家は財産分与で譲って欲しい。」
夫「離婚した後の生活を考えると、どちらかは譲って欲しい。」

協議離婚は夫婦間の話し合いで解決を目指すものなので、
離婚条件の話し合いでは、100対0という結果は出にくいです。
(注 離婚原因が相手の浮気(不倫)の場合、100対0になる可能性もあります。)

話し合いの前に『譲れる条件と譲れない条件』を整理しておくことが大切です。

ただこの整理が出来ていない場合は、話し合いが難航し、
最終合意まで時間がかかりやすいです。その結果1年以上という期間がかかります。

Q「期間が1日とか1年とか極端ではないですか?」

協議離婚の期間がバラバラになる主な理由としては、
上述の通り、離婚時の状況に応じて離婚条件の合意までの期間に幅があるからです。

これを伝えるために極端な例を使いました。

最後に統計を取った訳ではないので参考情報ですが、
ご依頼者様の平均期間としては、1~2か月程度で終える方が多いです。
(※ 当事務所では離婚協議書と離婚公正証書の作成をしております。)

【費用について】

◇ 原則費用はかからない
◇ 書面化する場合は費用がかかる

先ず協議離婚の進め方は夫婦間の話し合いがベースなので、
第3者の関与を受けることはありません。つまり費用はかかりません。

離婚届は役所でもらえる(無料)ので、費用はかかりません。
ただ本籍地以外の役所に提出する場合は、戸籍謄本が必要(費用がかかる)です。

以上のことから、協議離婚では原則費用がかかることはありません。

Q「書面化とはどういう意味ですか?」

夫婦間で合意した養育費などの離婚条件は口約束で終えることも、
書面化して終えることも、各夫婦の判断で自由に決めることが出来ます。

書面とは離婚協議書、又は離婚公正証書を言います。

自分(夫婦)で離婚協議書を作る場合にかかる費用は『ほぼ0円』で、
行政書士などの専門家に依頼をした場合は、報酬(費用)の支払が必要となります。

自分で作る場合でも、用紙やインク代は必要なので『ほぼ0円』としています。

離婚公正証書は全国各地にある公証役場で作ることになり、
必ず公証役場手数料の支払が生じるので、費用がかかることになります。

離婚協議書と離婚公正証書の詳細はこちらをご覧下さい。

こういう訳で協議離婚では原則費用はかかりませんが、
合意した離婚条件を書面化する場合は、費用がかかるケースも出てきます。

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4.協議離婚のトラブル例

離婚後に起きるトラブル

例1「離婚したい気持ちが強すぎて・・・」

離婚に至った原因によっては、顔を合わせることも嫌になって、
『早く別れたい』という思いから、急いで離婚届を提出することもあります。

離婚原因が浮気(不倫)の場合、このような気持ちになりやすいです。

協議離婚の成立条件には、親権以外の離婚条件は含まれないので、
『離婚後に落ち着いてから話し合う』という約束をする夫婦が多いです。

その結果、離婚後に話し合いを求めても相手の反応が鈍くて、
養育費などの話し合いが進まないという、トラブルが起きやすくなります。

協議離婚で話し合う期間は、離婚後の人生に比べると短いので、
急ぐ気持ちも理解出来ますが、後悔しない為にも離婚前に話し合うことが大切です。

例1は離婚後に話し合いをするという、お勧め出来ない協議離婚の進め方です。

例2「お金はあるのに養育費を払ってくれない。」

協議離婚とは夫婦間の話し合いで解決を目指すものなので、
養育費の条件(金額や支払日など)も自由に決めることが出来ます。

そして合意した養育費の条件を口約束で終えた場合、
離婚後、このような未払問題が起きる可能性は十分考えられます。

現在、未払いを100%防ぐ方法はありませんが、
合意した条件を書面化した場合、口約束より支払率を上げることが出来ます。

書面化とは離婚協議書、又は離婚公正証書を言います。
特に離婚公正証書には強制執行(未払い時の差押え)という効力があります。

協議離婚は自由度が高い代わりに『自己責任』も生じるので、
離婚前から自己責任を感じる場面を減らすための準備をすることは大切です。

例2は離婚条件を口約束で終えるという、お勧め出来ない協議離婚の進め方です。

例3「離婚協議書に面会交流は不可と書いたのに、会わせろと言われる。」

離婚協議書には合意した離婚条件が書かれていますが、
自分(夫婦)で作った場合、無効な合意を記載しているケースがあります。

無効な合意は何も決まっていない状態と同じです。
つまり一方が無効と知った時に、トラブルに発展する可能性があります。

このトラブルを防ぐ方法は1つだけあり、
それは話し合いの前に正確な協議離婚の情報を収集することです。

正確な情報や知識があれば、無効な合意を交わすことはありません。

ちなみに離婚公正証書は公証役場でしか作ることが出来ず、
事前に公証人のチェックを受けるので、無効な合意をすることはありません。

最後に面会交流は子供の成長に欠かせないものなので、
夫婦間でわだかまりがあったとしても、実現させることが大切です。

例3は準備不足で話し合いを始めるという、お勧め出来ない協議離婚の進め方です。

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5.離婚届と離婚成立後の手続き

離婚届の注意点

【離婚届について】

◇ 証人は2人必要
◇ 養育費と面会交流のチェック欄

先ず離婚届を完成させるためには、証人2人が必要となります。

この証人は成人であれば良く、条件がある訳でもないので、
一般的には身近な人(両親、兄弟、親戚、親友)にお願いする夫婦が多いです。

ご依頼者様から話があった時は、私が離婚届の証人になることもあります。

証人になってくれる人がいない、身近な人に頼みにくいという方は、
『証人代行サービス』というものがあるので、1度ネット検索をしてみて下さい。

そして離婚届には養育費と面会交流のチェック欄がありますが、
これには法的拘束力がなく、夫婦間の意識向上を目的としているので、
『決めていない』を選んでも、何か問題が起きるという訳ではありません。

つまり離婚届は受理されるので、協議離婚は成立します。

離婚届を提出すれば、法律上は協議離婚の成立となりますが、
離婚後にしか出来ない手続きもあるので、離婚前に準備することをお勧めします。

↓に離婚後の手続き(一例)についてお伝えします。

【離婚後の手続き】

◇ 運転免許証などの名義変更
◇ 年金分割の申請
◇ 児童扶養手当の申請
◇ 子供の氏の変更許可申立

先ず窓口では本人確認書類の提示を求められることが多いので、
効率良く進めるためにも、運転免許証の変更手続きから始めることをお勧めします。

次に年金分割の申請方法は3パターンあり複雑な制度なので、
離婚前から申請の準備(特に合意分割の該当者)をしておくことが望ましいです。

年金分割の詳細は年金分割合意書の書式をご覧下さい。

次に児童扶養手当などの公的扶助は、生活費の足しになるので、
離婚前から役所に相談をして、スムーズに申請が出来るように準備をして下さい。

最後に離婚後の子供の戸籍についてお伝えします。

協議離婚成立後、子供と親権者の戸籍は別々になるケースが多く、
子供を従前の戸籍から抜いて、親権者の新戸籍に入れるという手続きが必要です。

この手続きを完了するためには2つの申請が必要となり、
1つ目が家庭裁判所に対して、子供の氏の変更許可申立を行います。
(※ 2つ目は役所に対して、入籍届を提出します。)

『離婚後の手続き』といった冊子を置いている役所もあるので、1度ご確認下さい。

こういう訳で離婚後の手続きはたくさんあるので、
これらを終えて始めて、本当の意味での協議離婚の成立(終了)と言えます。