
財産分与で不動産の名義変更を検討している方へ

初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。
〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)
2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。
【目次】
○ よくある不動産の名義変更ができる事例
○ 不動産の名義変更は自分でできる?
夫婦間の離婚協議の結果、不動産の財産分与で名義変更を行うことは可能です。
ただどんな状況でも名義変更ができる訳ではありません。ここでは2つ事例のを使って不動産の名義変更の流れなどをお伝えします。
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よくある不動産の名義変更ができる事例

離婚に伴う不動産の財産分与では複数の選択肢(解決案)がありますが、ここでは名義変更(移転登記)という選択肢について解説します。
なお、ここではわかりやすいように「夫から妻に移す」という事例を使っていきます。
〈離婚の財産分与で不動産の名義変更ができる事例〉
① 住宅ローンを完済している。
② 住宅ローンの借換ができる収入がある。
初めに1点お伝えしたいことがあります。
不動産の財産分与は難易度が高い離婚条件のため、依頼の有無は別として1度は専門家に相談をした方が安心できます。
現在、不動産の財産分与で名義変更を検討されている方の場合、①か②どちらかの状況だという方が多いと思います。
先ず①住宅ローンを完済しているご夫婦の場合、銀行の関与を受けません。
つまり夫婦間協議の結果、夫名義の不動産を妻名義にする。という結論を出すことができます。夫婦間で条件合意できれば、離婚後に法務局で申請を行えば名義変更ができます。(財産分与に伴う不動産の名義変更手続は離婚前ではなく離婚後になります。)
余談ですが、①を選択できるのは婚姻期間が長いご夫婦になるケースが多いです。婚姻期間が短いご夫婦の場合、住宅ローンが残っている可能性が高いので次の②を選択する可能性が高いです。
なお、このケースでは名義変更ではなく売却(売却益の分配)や賃貸(第三者に貸して賃料を分配)という選択肢も考えられます。
そして②住宅ローンの借換ができる収入がある場合、離婚前の銀行仮審査→離婚成立→銀行本審査→名義変更という流れ(銀行ごとに流れが変わる可能性があります)を経て、夫名義の不動産を妻名義にする。住宅ローンは妻が負担する。という結論を出すことができます。
なお、離婚後の銀行の本審査では離婚協議書や離婚公正証書の提出が求められます。離婚前の銀行仮審査~離婚成立の間に作るようにして下さい。
〈離婚協議書や公正証書に書くポイントは3つ〉
A 財産分与で夫から妻に名義変更するという合意を書く。
B 離婚後、妻が住宅ローンの借換をするという合意を書く。
C 離婚後、名義変更の手続きを行うという合意を書く。
不動産の財産分与は離婚条件の中でも難易度が高いです。
このことからご夫婦ごとに離婚協議書や公正証書の書き方が大なり小なり異なる可能性が多く、自己判断で間違った書き方をする可能性があるためここではA~Cの文例やひな形の紹介は割愛します。
ここではよくある2つの事例をお伝えしました。
①と②に該当しないご夫婦でも名義変更ができる可能性があります。不動産の財産分与は難易度が高いため専門家への相談をお勧めします。
不動産の名義変更以外の選択肢は以下をご覧下さい。
・財産分与と住宅ローンの関係|離婚協議書の不動産や動産の書き方
不動産の名義変更は自分でできる?
離婚後、自分(元夫婦)で名義変更の手続きはできます。
ただ難易度が高い手続きになるので、専門家である司法書士さんへの依頼をお勧めします。
過去、自分で名義変更をした。というご依頼者様はごくわずかです。
なお、当事務所では離婚協議書や離婚公正証書の作成はできますが、離婚後の名義変更の手続きはできないのでご注意下さい。(行政書士は名義変更の手続きができません。)
こういう訳で不動産の名義変更は自分で行う(費用節約)、又は司法書士へ依頼をする(報酬支払)、以上2つの選択肢から選ぶことになります。
【参考情報】
・子どもの預貯金は財産分与の対象?|財産分与の考え方
・離婚時の学資保険をポイント解説|離婚に伴う財産分与
・離婚時の生命保険をポイント解説|離婚に伴う財産分与
・財産分与で不動産売却のポイント|離婚協議書の書き方
・財産分与の分配割合の考え方|2組のご夫婦の事例解説
