親権とはという疑問を解決

親権の文例と書き方

親権の書き方

【目次】

1.親権の文例と書き方
2.子供の親権と監護権とは
3.親権の決定基準と条件
4.親権と養育費の関係

先ず『子供の親権』に関する条件をお伝えする前に、
離婚協議書や離婚公正証書を作る時に役立つ書き方を解説します。

離婚協議書と離婚公正証書全体の文例もあります。詳しくはこちらです。
(※ 実務で使っている15個の文例と書き方なので是非ご覧下さい。)

離婚協議書や離婚公正証書を作る予定がない方は、
この項目を飛ばして、次の『2.子供の親権と監護権とは』をご覧下さい。

甲と乙は、甲乙間の未成年の長女 千佳(生年月日)の親権者を乙とし、
乙は長女の監護権者となり、長女が成年に達するまで引き取り養育する。

①表記について

離婚協議書や離婚公正証書を作る場合の子供の表記は、
一般的に年齢の高い順に『丙や丁や戊』を使うことになります。

ただ当事務所では分かりやすいように『長女や二女や三女』を使っています。

②親権者について

離婚届には親権者の記入欄があるので、未記入は認められず、
親権者を決定しないと、役所に離婚届を提出(受理)することは出来ません。

親権の話し合いが難航した場合、家庭裁判所の調停に進むことになります。

③妊娠中の子供について

妊娠中の子供の親権者は母親なので、この文例を書く必要はありません。
補足として『子供が生まれたら』という条件付きで、養育費の合意は出来ます。

出産後、子供は母親の戸籍に入り、母親の氏を称することになります。

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2.子供の親権と監護権とは

親権を決めないと離婚出来ない

【親権とは】

① 親権を決めなければならない
② 決めれない時は協議離婚が出来ない

先ず離婚の時点で夫婦間に未成年の子供がいる場合、
離婚後、①子供を育てる(身の回りの世話)親権者を決める必要があります。

離婚後も子供と一緒に生活する者を親権者と言います。
(※ 厳密には子供名義の預貯金管理などの財産管理も行います。)

協議離婚は夫婦間の話し合いをベースに解決を目指すので、
子供の親権は↓のように『どちらがなるか』について話し合いで決めます。

父親「子供の親権はどうする?」
母親「私が育てていきたい。譲ることは出来ない。」

一般的に『親権は母親』というイメージがありますが、
話し合いの結果『父親が親権を得る』というケース(結論)もあります。

次に離婚届を見れば直ぐに確認出来ることですが、
先述の通り、親権の記入欄があるので未記入で提出することは出来ません。

つまり②親権の話がまとまらない限り、協議離婚は成立しません。

ちなみに子供の親権の話し合いが難航した場合、
親権と監護権(子供と一緒に生活)を分けるという方法がありますが、
離婚後の子供との生活を考えると、デメリットが多いのでお勧め出来ません。

例えば、親権を父親にして監護権を母親にした場合、
離婚した後に子供名義の通帳を作る時、父親の協力という手間が生じます。

監護権とは子供を手元で育てていく(一緒に生活)ことを言います。

仮に子供の親権と監護権を分けることが出来ても、
離婚後、父親と母親が協力出来る関係性がないと成り立たないのでご注意下さい。

過去、親権と監護権を分けたご依頼者様は1組もいません。
つまり特殊な事情がない限り、親権と監護権を分けるケースは少ないです。
(※ 当事務所では離婚協議書や離婚公正証書を作成しています。)

最後に子供の親権の話を避けることは出来ないので、
子供の将来のためにも、よく話し合って結論を出すようにして下さい。

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3.親権の決定基準と条件

親権は話し合いで決定

先述の通り、協議離婚では夫婦間の話し合いで親権を決めますが、
決定の基準や条件を知りたいという方が多いので、参考情報としてお伝えします。

尚、1度決定した親権を変える(変更)ことは難しいのでご注意下さい。

【主な基準と条件】

◇ 育児にかける時間
◇ 子供の意思や希望も尊重する
◇ 親権者の心身の状況

先ず育児にかける時間とは言葉通りとなり、
親権者が子供の面倒を見れる時間、離婚後の生活環境を言います。

次に子供が自分の意思をはっきりと言える年齢の場合は、
↓のように子供の話を聞いた上で、その意思を尊重することは大切です。

父親「どっちと暮らしていきたい?」
子供「転校をしたくないから、お父さんと暮らす。」

『はっきりと言える年齢』は○歳と断定するのは難しいですが、
一般的に子供の年齢が15歳以上の場合は、意思や希望を確認するべきです。

そして親権者の心身の状況とは、病気や情緒を言います。
子供を1人で育てていくことになるので、この心身の状況は大切な条件です。

ちなみに当事務所では20代~30代のご依頼者様が多く、
子供が幼いこともあって、父親ではなく母親が親権を得るケースが多いです。

Q「父親が親権を得ることは難しいですか?」

上述の通り、子供の親権は話し合いで決めるので、
お互いが納得すれば、子供が幼くても父親が親権を得ることは出来ます。

子供が幼くても父親が親権を得ることもありますが、
このケースでは母親に何か特別な事情があって、父親に譲ることが多いです。

最後に子供が複数いる場合、親権を分けることも出来ますが、
子供の成長を考えるとマイナス面が多いので、お勧めは出来ません。
(例 長男は父親、長女と二女は母親が親権を得る。)

ただ離婚時の状況が↓のようなケースでは、
父親と母親が親権を分けるという結論を出すこともあり得ます。

母親「離婚後、お母さんと妹と一緒に暮らす?」
長男「来年受験で進学だから、お父さんと暮らすよ。」

上述の通り、子供の年齢、意思、生活環境を考慮することも大切です。

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4.親権と養育費の関係

親権と養育費は一緒に話す

離婚成立の時点で、夫婦の内一方は子供と離れて暮らすことになります。

離れて暮らすことになっても親子関係は消えないので、
子供の成長のためにお金を子供(親権者)に払います。これが養育費です。

【話し合いの過程で】

夫「親権を譲るから養育費は払わない。」
妻「親権を得るためなら養育費はいらない。」

親権の話し合いの結果、このような結論を出すケースもありますが、
『養育費は子供の成長のためのお金』なので、この合意は無効となります。

無効な合意とは、離婚した後にこの合意を覆すことが出来ます。
つまり親権の話し合いで費やした時間が無駄になるので、ご注意下さい。

親権を養育費支払の取引材料にすることは出来ません。

Q「親権が決まった後、養育費の話をするべきですか?」

協議離婚の成立条件に養育費の話し合いは含まれませんが、
子供の将来のためにも、親権と養育費はセットで考えることが大切です。
(例 責任を持って子供を育てるから、毎月養育費を払って欲しい。)

協議離婚の成立条件は離婚意思、親権決定、離婚届の提出、以上3点です。

ちなみに夫婦間で養育費の話し合いをするのであれば、
同時に離れて暮らす親と子供の定期面会の話もすることが望ましいです。

これは面会交流と言って、子供の成長に欠かせない機会となります。
(例 父親は1か月の内2回、子供と○○公園で面会交流を行う。)

こういう訳で親権の話し合いも大切ですが、
親権が決定した後には、子供のために養育費と面会交流の話もして下さい。