
学資保険の財産分与をわかりやすく解説

初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。
〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)
2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。
【目次】
○ 現在の契約内容を確認することからスタート
○ 学資保険の財産分与協議では2つの選択肢がある
○ 親権者が学資保険を引継ぐという3つ目の選択肢
○ 離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?
学資保険は離婚に伴う財産分与の対象財産となります。
ここではどのように話し合ったらいい?という学資保険の取扱などについて解説していきます。
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現在の契約内容を確認することからスタート

財産分与は婚姻中に蓄えた財産を清算(分配)するものです。
主に不動産、お金(預貯金や現金)、動産(家具家電)、以上3つに分類されます。
ここでは離婚に伴う学資保険の財産分与について順序立てて解説します。
学資保険は子どもの将来(進学費用など)を思って契約する保険です。
このことから財産分与の対象財産にならないと考えられがちですが婚姻中に得た財産(給与)から保険料を支払っているので対象財産になります。
つまり夫婦間で学資保険の財産分与協議が必要です。この夫婦間協議を行うためには契約内容の確認が必要です。
〈契約内容のどの部分を確認する?〉
① 契約者を確認する。
② 離婚時点での解約返戻金を確認する。
先ず①学資保険の契約者の確認を行います。
父親が契約者のケースが多いですが母親が契約者のケースもあり得ます。
なお、財産分与は婚姻中に夫婦間で蓄えた財産を分配するものです。
このことから財産の名義は関係ありません。つまり母親が契約者でも財産分与の対象財産になります。
そして離婚時点での学費保険の金銭的な価値を知るために②解約返戻金の確認を行います。
離婚時点の解約返戻金がわからない場合、夫婦間の財産分与協議が進まない可能性があります。この点は次のトピックでお伝えします。
学資保険の財産分与協議では2つの選択肢がある
① 解約をして返戻金を分配する
② 権利を取得する対価として金銭を支払う
一般的に学資保険に加入しているご夫婦の場合、離婚に伴う財産分与協議では2つの選択肢から選ぶことになります。
先ず①を選択する場合、保険会社に解約返戻金の金額を確認し以下のような分配協議を行います。
〈学資保険を解約する場合の協議例〉
夫「解約した場合の返戻金は150万円になる。」
妻「公平に折半を希望します。75万円分配してほしい。」
なお、離婚後に解約し分配する場合、未払いのリスクがあります。
例)離婚してすぐに解約しているのに75万円の分配をしてくれない。
このようなリスクを回避する方法として分配の合意を離婚協議書や離婚公正証書に残すという方法があります。
離婚協議書や離婚公正証書の詳細は以下をご覧下さい。
・サンプル通りに作っても大丈夫?|離婚協議書と離婚公正証書作成
そして②を選択する場合、保険会社に解約返戻金の金額を確認し以下のような分配協議を行います。
〈学資保険の権利取得をする場合の協議例1〉
妻「学資保険を解約せず契約を続けたい。」
夫「契約を続ける対価として現金を払ってほしい。」
〈学資保険の権利取得をする場合の協議例2〉
妻「現金はいくら支払ったらいい?」
夫「今解約したら150万円だから半分の75万円を希望します。」
離婚を理由に学資保険を解約する場合、デメリットがあります。
このことから権利を取得(契約継続)する対価として金銭を支払うという合意もできます。
具体的なデメリットとして解約返戻金の金額がこれまで支払った保険料より少ないことが考えられます。
なお、ここでは対価として現金と記載していますが、夫婦間協議の結果、現金以外で合意するケース(対価として自動車を取得など)もあり得ます。
親権者が学資保険を引継ぐという3つ目の選択肢
上述の通り、学資保険は子どもの将来(進学費用など)を思って契約する保険です。
このことから離婚時の夫婦間協議の結果、財産分与ではなく養育費の枠組みで学資保険の合意(養育費に学資保険を含める)をされる方もいらっしゃいます。
具体的には親権者が学資保険の契約を引継ぐイメージに近いです。
〈学資保険の契約を引き継ぐ事例〉
① 婚姻中、父親が学資保険に加入した。
② 離婚に伴い、学資保険の取扱について夫婦間協議を行う。
③ 親権者(母親)が学資保険を引継ぐことで合意した。
④ 離婚前に学資保険の契約者を父親から母親へ変更する。
⑤ 離婚届提出。
⑥ 学資保険の保険料は母親が支払う。
協議離婚は夫婦間の話し合いで進めるという特徴があるため、夫婦間協議の結果、このような柔軟な結論を出すこともできます。
ただ学資保険の契約者変更は保険会社ごとに運用が異なります。
事前に契約者変更の可否、時期などについて確認することが大事です。
例1)そもそも契約者変更は認めない。
例2)離婚前しか契約者変更はできない。離婚後は不可。
離婚前から学資保険に加入しているご依頼者様の場合、この3つ目の選択肢を選ぶことが多いです。
【参考情報】
・子供名義の預金は財産分与が必要?
・離婚時の生命保険をポイント解説|離婚に伴う財産分与
・財産分与で不動産売却のポイント|離婚協議書の書き方
・財産分与で不動産を名義変更できる?
・財産分与の分配割合の考え方|2組のご夫婦の事例解説
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離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?

協議離婚で話し合う離婚条件は親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割など代表的なもの、あまり知られていないものなど数多くあります。
この離婚条件の情報はご夫婦(自分たち)で集めて整理する必要がありますが以下の問題や疑問を抱える方が多いです。
〈問題や疑問とは?〉
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この問題や疑問を解消するのがオリジナルの離婚チェックシートです。
離婚チェックシートがあれば、ご夫婦で離婚条件の情報を集める必要がなくなります。つまり完成までの時間短縮に繋がります。
離婚チェックシートとは?
① 計13ページ63項目を掲載
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当事務所では20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。
なお、数年前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
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離婚チェックシートには、具体的に以下のように掲載されています。
〈離婚チェックシートの項目例〉
例1「子どもの養育費は何歳まで払う?(選択肢は5つ)」
例2「子どもとの定期面会はどうしますか?(選択肢は3つ)」
例3「預貯金の財産分与の分配方法は?(選択肢は3つ)」
例4「通知義務の通知方法はどうしますか?(選択肢は6つ)」
離婚協議書や離婚公正証書作成に必要な情報を掲載しています。
つまり夫婦間での離婚協議において二度手間がなくなり、効率良く進めることができます。
なお、当事務所では弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいらっしゃいます。
こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。
詳細は離婚チェックシートの内容と使い方|離婚協議書と公正証書作成をご覧下さい。
