財産分与の分配割合で悩まれている方へ
初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。
〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)
2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。
【目次】
○ 財産分与の分配割合は夫婦間協議で決める
○ 田中夫妻の財産分与の例
○ 山田夫妻の財産分与の例
○ よくある財産分配に関する間違った考え方
○ 離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?
財産分与の夫婦間協議では分配割合について悩まれる方が多いです。
ここでは2組のご夫婦の事例を使って分配割合の考え方をわかりやすく解説します。なお、この事例はフィクションです。
財産分与の分配割合は夫婦間協議で決める
協議離婚は夫婦間の話し合いで解決を目指すものです。
つまり財産分与の分配割合についてもご夫婦の自由な意思で決めれます。
ただ自由と言っても分配割合の相場を知りたいと考える方は多いです。
財産分与の分配割合は折半(50%)が妥当だと言われていますが、
夫婦間協議の結果、折半以外の分配割合で合意されるご夫婦もいらっしゃいます。
ここでは折半以外の分配割合の合意について具体例を交えながら解説します。なお、この具体例はフィクションです。
田中夫妻の財産分与の例
・夫婦共に会社員(正社員)
・夫の預貯金残高は100万円
・妻の預貯金残高は200万円
共働きのご夫婦の場合、婚姻中の生活費は折半にして余ったお金は各自で管理して自由にしているケース(夫は趣味のゴルフに使い、妻は貯蓄など)が多いです。
このケースでは離婚時の預貯金残高に差が生じるので、
財産分与の分配割合を折半にした場合、妻は不公平だと感じます。
例)折半で合意した場合、妻は夫に50万円渡すことになる。
妻が不公平だと感じる状況を回避する方法は以下のような分配方法となります。
〈財産分与の分配割合の例〉
夫名義の預貯金100万円は夫が取得、妻名義の預貯金200万円は妻が取得する。
この結論だと双方が納得しやすいと考えられます。
ただ離婚後のトラブル防止のためにも合意した条件の書面化が望ましいです。
例)離婚後、元夫が50%にしてほしいという主張をしてくる。
書面とは離婚協議書や離婚公正証書のことです。
この結論は双方が経済的に自立しているというご夫婦に多いという特徴があります。
山田夫妻の財産分与の例
・夫は会社員で妻は専業主婦
・夫の預貯金残高は500万円
・3歳の子どもが1人
・子どもの親権者は妻
財産分与は婚姻中に蓄えた財産を清算(分配)するものです。
つまり預金口座の名義人は関係なく夫名義でも妻は分配の権利主張ができます。
なお、名義人が妻の場合でも夫は妻に分配の権利主張ができます。双方が権利主張できるという点を覚えておいて下さい。
今回、妻が子の親権者になるため子の年齢を考えると離婚後妻はフルタイムで働くことが難しいです。
このケースでは夫婦間協議の結果、以下の分配方法で合意しました。
〈財産分与の分配割合の例〉
夫名義の預貯金500万円の内、夫は100万円、妻は400万円取得する。
離婚後の妻と子どもの生活費ということを考慮して双方が納得した上でこのような合意をしました。
こういう訳で離婚時の状況の応じて50%という割合にこだわらず柔軟な結論を出すこともできます。
よくある財産分配に関する間違った考え方
財産分与の分配協議の際、間違った考え方で進めることが多いので具体例を挙げて解説します。
〈離婚時の財産リスト〉
① 夫の預貯金残高は200万円、妻は0円。
② 婚姻中の生活費補填として夫の借金が100万円。
※ 夫婦間協議の結果、分配割合は50%で合意。
分配協議では①と②をわけて考える(間違った考え方)のではなく、①と②を合算した上で行います。
仮に間違った考え方で分配協議を行った場合、以下の計算式で合意することになります。
〈財産分与の計算式〉
① 預貯金は夫が100万円、妻が100万円取得。
② 夫が契約している借金100万円は夫が全額負担。
この計算式だと最終的に夫の手元に残るのは0円(預貯金-借金)、妻は100万円となり、夫が借金100万円を全て被ることになるため間違った考え方となります。
正しい考え方は①と②を合算した上で行うので、先ずは預貯金から借金を全額返済し残った預貯金を分配(夫は50万円、妻は50万円)します。
夫婦間の財産にはプラスのものだけではなくマイナスのものもあります。個別の財産ごとに分配するのではなくプラスとマイナス全て合算して残った財産を分配する。これが正しい考え方です。
なお、ここでは借金の例を生活費補填としましたが、住宅ローンや個人的な借金(パチンコなどの遊興費)の場合、個別に検討する必要があるのでご注意下さい。
【参考情報】
・子供名義の預金は財産分与が必要?
・離婚時の学資保険をポイント解説|離婚に伴う財産分与
・離婚時の生命保険をポイント解説|離婚に伴う財産分与
・財産分与で不動産売却のポイント|離婚協議書の書き方
・財産分与で不動産を名義変更できる?
離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?
協議離婚で話し合う離婚条件は親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割など代表的なもの、あまり知られていないものなど数多くあります。
この離婚条件の情報はご夫婦(自分たち)で集めて整理する必要がありますが以下の問題や疑問を抱える方が多いです。
〈問題や疑問とは?〉
・離婚情報が多くて混乱する。
・AサイトとBサイトで真逆のことが書かれている。
・有益な情報を集めたいけどやり方がわからない。
この問題や疑問を解消するのがオリジナルの離婚チェックシートです。
離婚チェックシートがあれば、ご夫婦で離婚条件の情報を集める必要がなくなります。つまり完成までの時間短縮に繋がります。
離婚チェックシートとは?
① 計13ページ63項目を掲載
② 協議離婚に必要な情報を全て網羅
③ わかりやすいように○×回答形式を多く採用
当事務所では20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。
なお、数年前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。
離婚チェックシートには、具体的に以下のように掲載されています。
〈離婚チェックシートの項目例〉
例1「子どもの養育費は何歳まで払う?(選択肢は5つ)」
例2「子どもとの定期面会はどうしますか?(選択肢は3つ)」
例3「預貯金の財産分与の分配方法は?(選択肢は3つ)」
例4「通知義務の通知方法はどうしますか?(選択肢は6つ)」
離婚協議書や離婚公正証書作成に必要な情報を掲載しています。
つまり夫婦間での離婚協議において二度手間がなくなり、効率良く進めることができます。
なお、当事務所では弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいらっしゃいます。
こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。
詳細は離婚チェックシートの内容と使い方|離婚協議書と公正証書作成をご覧下さい。