離婚の問題や疑問を解決するコラム

離婚協議書や公正証書作成に伴う慰謝料の疑問を解決

著者は離婚慰謝料に強い行政書士の辻雅清

初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。

〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)

2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。

【目次】

慰謝料に関する5つの疑問をQ&A形式で回答
離婚慰謝料を端的にまとめると
夫が不倫を認めません。どうしたらいい?
慰謝料の相場はいくら?
不倫相手に慰謝料請求をしたい
知っておくべき慰謝料の支払合意に関する注意点

慰謝料は離婚原因に応じてご夫婦ごとに話し合いを行い、離婚協議書や公正証書に記載することになる大事な離婚条件です。

ここでは慰謝料に関する5つの疑問をQ&A形式でわかりやすい言葉を使って回答します。

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慰謝料に関する5つの疑問をQ&A形式で回答

よくある離婚慰謝料の疑問をQ&A形式で回答します

離婚協議書や公正証書を作成する上で慰謝料は大事な離婚条件となります。

ここではよくご依頼者様から頂戴する慰謝料の5つの疑問をQ&A形式で回答します。

なお、慰謝料をもっと知りたいという方は下記ページをご覧下さい。
離婚慰謝料の約束を公正証書に残す書き方|配偶者への慰謝料請求

ここではわかりやすいように妻が慰謝料請求者、夫が慰謝料支払者という例を使って解説していきます。

離婚慰謝料を端的にまとめると

離婚協議書や公正証書に記載する離婚条件の1つです。
具体的には離婚原因に応じてご夫婦の一方が他方に金銭を支払う条件を慰謝料と言います。

なお、離婚原因ごとに慰謝料請求の可否が決まります。
つまり全てのご夫婦が話し合うべきことになる離婚条件ではありません。

〈慰謝料請求ができる原因(一例)
① 配偶者が不倫(不貞行為)をした。
② 配偶者からDV(暴力)を受けた。

離婚原因が①や②の場合、慰謝料請求ができます。
一方、よくある性格や価値観の不一致では慰謝料請求ができないということになります。

こういう訳で慰謝料請求を考えた場合は自分が請求できる、できないの確認から始めて下さい。

なお、離婚協議書や公正証書を作成する場合、慰謝料請求の原因を記載するようにして下さい。記載しない場合、離婚後のトラブルに発展する可能性があります。

夫が不倫を認めません。どうしたらいい?

配偶者の不倫(不貞行為)が原因で慰謝料請求を行う場合、
夫が不倫をした。と認めない限り、請求することは難しいです。

仮に夫が支払逃れのために不倫を認めない場合は不倫した事実を証明する証拠(写真など)を見つける必要があります。

なお、妻が自分で証拠を見つけることが難しい場合は費用がかかりますが探偵などに頼ることになります。

探偵に依頼しました。というご依頼者様が意外に多いことに驚いています。

慰謝料の相場はいくら?

協議離婚では夫婦間協議で慰謝料支払額を決めるという特徴があります。
この特徴に加えて現実的には支払者の支払能力に左右されるため具体的な相場をお伝えすることが難しいです。申し訳ございません。

〈支払者の支払能力の例〉
・年収600万円の場合、慰謝料300万円は支払える。
・年収300万円の場合、慰謝料300万円を支払うのは難しい。

夫婦間協議の結果、支払者の収入に見合わない支払額で合意しても構わないですが、支払方法は分割払いになる可能性が高く、未払いリスクが高まります。つまり絵に描いた餅となります。

こういう訳で当事務所で離婚協議書や公正証書を作成するご依頼者様の場合、50万円~300万円という広い範囲の中で合意されています。

不倫相手に慰謝料請求をしたい

慰謝料請求は配偶者ではなく不倫相手にすることも可能です。

ただ不倫相手に慰謝料請求する場合、対面する必要があります。
つまり精神的な苦痛を伴う可能性がある。というデメリットが生じます。

〈不倫相手に慰謝料請求する際のデメリット〉
・夫の不倫相手に会って協議するのは気が重い。
・夫の不倫相手が挑発的な態度でストレスを抱える。

また不倫相手に支払能力がない場合、慰謝料請求をしても支払額が低額になる可能性が高いです。これもデメリットと言えます。

なお、どうしても不倫相手に慰謝料請求をしたい場合は弁護士さんへの依頼をお勧めします。弁護士に依頼をすれば代理人として交渉してくれます。報酬支払は必要ですが精神的な苦痛の軽減が期待できます。

知っておくべき慰謝料の支払合意に関する注意点

慰謝料支払合意の注意点は2つ〉
① 一括払いで受取った場合は離婚協議書などを作成する。
② 分割払いになった場合は離婚公正証書を作成する。

先ず①一括で慰謝料を受取ることになった場合、離婚後のトラブル防止(元妻に悪意があり二重取りを考えて受取っていないと主張するなど)のために離婚協議書など証拠書類の作成をお勧めします。

そして②慰謝料支払が分割払いになった場合、離婚後の未払いリスクに備えて離婚公正証書の作成をお勧めします。

離婚公正証書があれば未払い時に強制執行(財産差押え)ができます。
詳細は
サンプル通りに作っても大丈夫?|離婚協議書と離婚公正証書作成をご覧下さい。

最後に慰謝料請求をする場合、感情的になりやすいです。
特に不倫が原因の場合、感情的になる気持ちも理解できますが、上述の通り、絵に描いた餅にならないためにも支払能力を考慮し冷静に話し合うことが大事です。

【参考情報】
面会交流で決める条件と文例|離婚協議書や公正証書Q&A
財産分与のやり方や話し合いのポイント|離婚協議書Q&A
年金分割ってどんな離婚条件?|離婚協議書や公正証書Q&A
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