
離婚に伴うお金の離婚条件を解説

初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。
〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)
2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。
【目次】
○ 代表的なお金の離婚条件は3つ
○ お金の離婚条件トラブル(先送り編)
夫婦間での離婚協議前に養育費、財産分与、慰謝料といったお金の離婚条件の特徴を理解するべきです。
ここではお金の離婚条件の基本的なポイント、離婚後のトラブル例を解説していきます。これから離婚協議を始める方にとって役立つ情報となります。
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代表的なお金の離婚条件は3つ

今回は離婚協議前に知っておくべきお金の離婚条件についてお伝えしていきます。協議離婚の夫婦間協議ではお金の問題が難題となるケースが多いです。
〈離婚に伴う3つのお金の離婚条件とは?〉
① 未成年の子どもに対する養育費支払。
② 離婚原因に応じて発生する慰謝料支払。
③ 預貯金を含む財産分与に伴う金銭支払。
先ず離婚の時点で①未成年の子どもがいる場合、養育費支払(大学卒業まで月4万円を支払うなど)について夫婦間協議を行います。
母親が親権者になるケースが多く、子どもが幼い場合、離婚後母親はフルタイムで働くのが難しいため、養育費支払というお金の約束は子どもの成長に欠かせないものとなります。
なお、養育費は月払いだけではなく特別費用(教育費や入院手術費用など)についても協議すると安心感が高まります。
養育費の詳細は以下をご覧下さい。
・養育費の約束を公正証書に残す書き方|テンプレートや例を掲載
次に②離婚慰謝料の支払は離婚原因に応じて請求可否が決まります。
例えば、離婚原因が配偶者の不倫(不貞行為)やDV(暴力)の場合は請求できます。一方、性格や価値観の違いでは請求できません。
慰謝料の使い道は自由ですが離婚後の生活資金に充当できるので大事な離婚条件と言えます。離婚後、後悔しないためにも慎重に夫婦間協議を行うようにして下さい。
慰謝料の詳細は以下をご覧下さい。
・離婚慰謝料の約束を公正証書に残す書き方|配偶者への慰謝料請求
次に③婚姻中に蓄えた財産は財産分与の対象となります。
主な財産として預貯金、不動産、動産(家具家電)、自動車などがあります。
財産分与で得たお金を含む財産は慰謝料と同様に離婚後の生活資金として充当できるので大事な離婚条件となります。
なお、財産分与は「誰がどの財産を取得する」「分配割合はどうする」といった夫婦間協議を行います。
余談ですが、慰謝料支払は分割払いになるケースが多くすぐに使えません。
一方、財産分与は離婚時に清算するため離婚後すぐに使うことができる可能性が高いお金と言えます。
財産分与の詳細は以下をご覧下さい。
・財産分与と住宅ローンの関係|離婚協議書の不動産や動産の書き方
最後に婚姻期間が長いご夫婦程、年金受給額の影響が大きい年金分割の夫婦間協議も忘れないで下さい。
年金分割の制度(仕組み)は難しいですが、大事な離婚条件なので必ず調べるようにして下さい。年金分割は離婚後2年以内という期限があるのでご注意下さい。
年金分割の詳細は以下をご覧下さい。
・年金分割合意書の書式|文例や公正証書との関係も解説
お金の離婚条件トラブル(先送り編)
夫婦間協議の結果、以下のようにお金の離婚条件協議を先送りすることがあります。
〈離婚条件協議を先送りにする例〉
夫「離婚届を1日でも早く提出したい。」
妻「離婚後、誠実にお金の離婚条件協議をしてくれるならサインする。」
離婚時の状況に応じて離婚後に協議(先送り)という合意もできます。
ただ元夫が協力してくれないリスク(電話をしても無視されて協議ができないなど)があるので、できる限り、離婚前に協議することが望ましいです。
少し話は逸れますが離婚前に協議を行い、条件合意ができた場合、離婚後に行き違いが起きないためにも離婚協議書や離婚公正証書といった証拠書面の作成をお勧めします。
〈離婚後の行き違いトラブル例1〉
元夫「養育費は中学生から+5千円だよね。」
元妻「違います。中学生から+1万円です。」
〈離婚後の行き違いトラブル例2〉
元妻「慰謝料の前払金はいつ払ってくれる?」
元夫「前払金は離婚した日の翌日に払ったじゃないか。」
このような行き違いトラブルが起きた場合、証拠書面があれば解決します。
離婚後の新生活につまずかないためにも口約束ではなく書面に残すことが大事です。
なお、離婚後に協議をして合意できた場合でも書面に残すようにして下さい。
最後に離婚に伴うお金の問題は揉めることが多いですが、子どもの将来や生活資金として役立つので様々な情報を集めて整理してから夫婦間協議に臨むようにして下さい。
【参考情報】
・離婚後の生活につまずがない方法|離婚前準備が大事
・離婚後に必要な手続きとは?|離婚したらやることリスト
・離婚条件の話し合いのポイント|離婚で決めること
・スピード離婚で後悔する理由|妻が離婚を急ぐ理由も解説
