離婚の問題や疑問を解決するコラム

離婚協議書と公正証書の共通点を解説します

著者は離婚協議書と離婚公正証書の作成に強い行政書士の辻雅清

初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。

〈主力業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)

2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきました。
この経験をこのページにてお伝えするので、これから協議離婚を考えている方にとって有益な情報となれば幸いです。

【目次】

作成前に知っておくべき共通点は3つ
自分で作成する場合の大事な注意点
離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?

離婚協議書や公正証書は行政書士などに依頼をせず自分で作成することも可能です。

ここでは自分で作成する予定の方に向けて離婚協議書と公正証書の共通点を解説します。作成前に違いだけではなく共通点も理解するべきです。

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作成前に知っておくべき共通点は3つ

離婚協議書と公正証書の共通点を3つ解説します

離婚協議書と公正証書には共通点があります。
違いを理解することも大事ですが同時に共通点も理解するべきなので自分で作成する前に知っておいてほしいです。

離婚協議書公正証書共通点
① 夫婦間で合意した離婚条件を書面に残す。
② 元夫婦間でトラブルが起きた時に証拠として利用できる。
③ 内容、文面、書き方はほとんど似ている。

先ず①夫婦間で合意した離婚条件を書面に残す。について解説します。

協議離婚は夫婦間の話し合いで解決を目指すことになり、
夫婦間で合意した養育費などの条件は口約束で終えても書面に残しても構わないです。夫婦間の自由な意思で選ぶことができます。

そして書面に残すと決めた場合、離婚協議書又は公正証書を作成することになります。

以上のことから書面に残すという意味では離婚協議書も公正証書も共通していると言えます。

なお、離婚協議書と公正証書を両方作る必要はなく共通点や違いを理解した上でどちらかを作ることになります。

公正証書を自分で作成する場合、事前に離婚協議書を作らないといけない。と考えている方が多いですが誤りなのでご注意下さい。厳密には公正証書の下書きが必要となるだけです。この下書きは離婚協議書レベルでも箇条書きレベルでも構わないです。詳細はコラムテーマから逸れるので割愛させて頂きます。

次に②元夫婦間でトラブルが起きた時に証拠として利用できる。について解説します。

離婚協議書や公正証書には合意した離婚条件が書面に残ります。
つまり離婚後にトラブルが起きた場合、以下のように証拠として利用できます。

〈離婚後のトラブル例1〉
元夫「養育費は高校生から月4万円だよね。」
元妻「違います。月5万円って書いているでしょ。」

〈離婚後のトラブル例2〉
元妻「慰謝料は総額300万円だよね。」
元夫「違います。総額200万円と書いています。」

離婚後、このような支払額トラブルが起きた場合、
口約束だと証拠がなく揉めますが、書面があればどちらがウソを言っているかすぐにわかります。

そもそも元配偶者に悪意がない限りウソをつかないので、
書面という証拠があれば、このようなトラブル自体起きないです。

離婚協議書や公正証書の作成を嫌がる支払者(主に夫)は多いです。
なぜなら書面を作っても自分にはメリットがないと考えているからです。

ただウソをつけないという証拠力は双方にメリットがあります。
離婚協議書や公正証書を作成する場合、このメリットがあることを支払者に伝えることが大事です。

なお、自分で作成する場合、注意点が1つあります。
それは夫婦間で合意できればどんな離婚条件でも離婚協議書や公正証書に残せるという勘違いです。

離婚協議書や公正証書には法的に有効な条件しか書けないです。
特に離婚協議書を自分で作成する場合、第三者のチェックが入らず有効な条件と無効な条件が混在することが多いです。

無効な条件があると時間をかけて作成した離婚協議書の効果が薄まります。自分で作成する場合は正しい離婚条件の情報の収集を行い、慎重に進めることが大事です。

最後に③内容、文面、書き方はほとんど似ている。について解説します。

離婚協議書や公正証書の内容は夫婦間で合意した条件です。
つまりどちらを作成しても内容、文面、書き方は一部の違いを除いてほとんど似ています。

〈離婚協議書と公正証書の内容の違い(一例)〉
・第1条(前文)の文面が少し異なる。
・強制執行認諾文言は公正証書に必要で離婚協議書には不要。

このような細かい違いがあるので、自分で作成する場合は何度も読み返してミスがないか確認をして下さい。

なお、当事務所で離婚協議書や公正証書の作成依頼を受けた場合、
文面などの違いは少ないので、いつでも作成切替(離婚協議書作成から公正証書作成に変更など)はできます。

自分で作成する場合の大事な注意点

自分で作成する場合、ウェブ上で情報を得た後、テンプレートやひな形をコピペして完成させる方が多いです。

テンプレートをコピペする行為自体は問題ありませんが、テンプレートの意味を理解した上で作ることが大事です。

ご夫婦が自分で作成した離婚協議書のチェックをする機会がありますが、ご夫婦にとって不要な条件、表現が違うだけで重複している条件、文章表現が間違っているなど問題のあるものが多いです。また書き漏れや不備も多いです。

上述の通り、離婚協議書や公正証書を作成する目的の1つに離婚後のトラブル防止があります。問題があるものを作成した場合、離婚後のトラブル率が上がり後悔する可能性が高いです。

依頼の有無は別として1度は専門家へ離婚協議書のチェック相談をすることをお勧めします。

なお、離婚後に離婚協議書や公正証書を作り直すことはできます。
ただし、元夫婦間に作り直すという同意が必要なので作り直せる可能性は低いです。

つまり今回作成するものがラストチャンスという気持ちで丁寧に進めることが大事です。

当事務所には自分で作成した方からの離婚後相談を受けることがありますが、当事務所で対応できる内容ではなく、費用がかかる弁護士さんへの相談依頼を勧めることが多いです。

最後に離婚協議書と公正証書の共通点を解説しましたが、同時に違いも理解した上でどちらを作成するか検討して下さい。

【参考情報】
離婚協議書と離婚公正証書の違い|自分で作成する方へ
離婚協議書と公正証書の効力の違い

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離婚チェックシートを使って効率良く進めませんか?

離婚チェックシートの見本

協議離婚で話し合う離婚条件は親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割など代表的なもの、あまり知られていないものなど数多くあります。

この離婚条件の情報はご夫婦(自分たち)で集めて整理する必要がありますが以下の問題や疑問を抱える方が多いです。

〈問題や疑問とは?〉
・離婚情報が多くて混乱する。
・AサイトとBサイトで真逆のことが書かれている。
・有益な情報を集めたいけどやり方がわからない。

この問題や疑問を解消するのがオリジナルの離婚チェックシートです。
離婚チェックシートがあれば、ご夫婦で離婚条件の情報を集める必要がなくなります。つまり完成までの時間短縮に繋がります。

離婚チェックシートとは?

① 計13ページ63項目を掲載
② 協議離婚に必要な情報を全て網羅
③ わかりやすいように○×回答形式を多く採用

当事務所では20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。

なお、数年前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。

離婚チェックシートには、具体的に以下のように掲載されています。

〈離婚チェックシートの項目例〉
例1「子どもの養育費は何歳まで払う?(選択肢は5つ)」
例2「子どもとの定期面会はどうしますか?(選択肢は3つ)」
例3「預貯金の財産分与の分配方法は?(選択肢は3つ)」
例4「通知義務の通知方法はどうしますか?(選択肢は6つ)」

離婚協議書や離婚公正証書作成に必要な情報を掲載しています。
つまり夫婦間での離婚協議において二度手間がなくなり、効率良く進めることができます。

なお、当事務所では弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。

補足として+aの条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいらっしゃいます。

こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。

詳細は離婚チェックシートの内容と使い方|離婚協議書と公正証書作成をご覧下さい。